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Teledyne Judson Technologies社
プリアンプ |
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プリアンプ |
このセクションは、ジャドソン社の検出素子に推薦するアンプ回路について記載します。PA-5, PA-6, PA-7 そして PA-9シリーズ プリアンプは、光起電力素子とそのアプリケーションに推奨する電流増幅アンプです。PA-101, PA-8200 そして PA-300シリーズアンプは、ジャドソン社の光導電性素子に推奨する電圧モードアンプです。以下に、ジャドソン社のプリアンプに関する一般的な情報を記します。 |
雑音源: |
図1は、検出素子とプリアンプシステムの様々な雑音源を示します。プリアンプ雑音源の値、en(Voltage Noise Density:電圧雑音密度)、in(Curent Noise Density:電流雑音密度)、Vos(Input Offset Voltage:入力オフセット電圧)とib(Input Bias Curent:入力バイアス電流)は、各々のジャドソン社の電流増幅アンプの仕様表に記載されています。プリアンプの雑音源は、検出素子の特性と共に、システム雑音を決定します。検出システム雑音の完全な分析は、このガイドの歯にを超えています。しかし、種々の雑音源の効果は、以下の近似によって要約されることができます。 |
Total en(f) = [(en2/ZD2)
+ in2 + (4kT/RD) + (4kT/RF)]1/2 ZF
en(Voltage Noise Density):電圧雑音密度 in(Curent Noise Density):電流雑音密度
ZD(Detector reactance):リアクタンス ZF(Transimpedance gain):トランスインピーダンスゲイン RD(Detector shunt resistance):シャント抵抗 RF(feedback resistance):フィードバック抵抗
k:ボルツマン定数(k)
T:絶対温度
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この単純化された雑音方程式は、プリアンプ出力における総電圧雑音密度 (V/Hz1/2)の良い近似を提供します。雑音は、周波数fに依存して、また、1Hzの雑音帯域幅にノーマライズされていることに注意してください。カッコの中の4つの項は、以下の主な4つの電流雑音源を表します。 |
- 検出素子のリアクタンスZDにより除算されたプリアンプの電圧雑音密度en、ここで
ZDは、以下の通り
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ZD = RD/(1+ (2pf)2 CD2 RD2)1/2 |
- プリアンプの電流雑音密度 in
- 検出素子シャント抵抗RDからのジョンソン熱電流雑音
- プリアンプのフィードバック抵抗RFからのジョンソン熱電流雑音
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そして総雑音電流はトランスインピーダンスゲイン ZFによって増幅され、ここで ZFは、 |
ZF = RF/(1+ (2pf)2 CF2 RF2)1/2 |
単純化された雑音方程式の分析は以下の通りです。 |
- リアクタンス ZDが大きい(>10KΩ)状況下では、プリアンプの電流雑音密度inは、電圧雑音密度enよりいっそう重要です。これは、一般に、中程度の周波数において、高いインピーダンスを持つ検出素子(InSb、冷却されたGe、受光面が小さいGe)を使うときのケースです。電流雑音密度inの小さいプリアンプを選択してください。
- リアクタンスZDが小さい(<1kΩ)状況下では、プリアンプの電圧雑音密度enは、いっそう重要となります。これは、一般的に、低いインピーダンスの検出素子(InAs、受光面積の大きなGe)にて現実となります。低い電圧雑音密度 enのプリアンプを選択してください。
- より大きいフィードバック抵抗RFは、より少ない電流雑音を加えます。最も高い感度のためには、フィードバック抵抗RFは、シャント抵抗RDよりも実用的には、大きく有るべきです。
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プリアンプの雑音指数: |
プリアンプの雑音性能を評価するための一般的な方法は、システム雑音のどこの部分がプリアンプによってもたらせるかを示す雑音指数NF(Noise Figure)である。(雑音指数の定義:入力側のS/Nに対して、出力側のS/Nがどれだけ劣化するかを示すもの) |
NF = 10 log10 [Total Noise / Detector
Noise] |
完全なプリアンプは、プリアンプのノイズ寄与が検出素子の雑音に比べて、無視できることを示して、0dBの雑音係数(Noise Factor)を持ちます。0.1〜3dBの雑音指数NF が満足であると考えられます。雑音指数NFが3bBより大きいプリアンプは、かなりの雑音をシステムに加えます。図6に1KHzにおけるジャドソン社トランスインピーダンスプリアンプの雑音指数を示します。 |
DCアプリケーション−オフセットドリフト: |
DCアプリケーションでは、プリアンプの入力バイアス電流Ibと入力オフセット電圧Vos は、重要になります。理想的なオペアンプでは、入力バイアス電流Ibと入力オフセット電圧Vosは、0となります。実際には、それらは、0以外の値を持っています。検出素子のシャント抵抗RDと共に、それらは、暗電流IDを産み出します。 |
ID = Ib + (Vos/RD) |
プリアンプの出力におけるDCオフセット電圧は、ID x RFに等しくなります 。 Ib と RDは、それぞれ温度に対する非線形の依存性を持っています。従って、プリアンの出力におけるオフセット電圧は、温度の変化によりドリフトするでしょう。オフセットとドリフトを最小にするために: |
高いインピーダンスの検出素子に対しては、低い入力バイアス電流Ibのプリアンプをお選びください。低いインピーダンスの検出素子に対しては、低い入力オフセット電圧のプリアンプをお選びください。ジャドソン社の電子冷却内蔵パッケージを使用することにより検出素子の温度を安定化することを考慮してください。トランスインピーダンス(または、電流モード)プリアンプの図1の回路は、周波数が1MHzまでのアプリケーションにおけるほとんどの光起電力素子に対してお奨め致します。それは最も低い雑音と広い帯域の状態の下の最も良い直線性を提供します。オペアンプ回路の特性は、ダイオードを0Vバイアスに維持します。 検出素子からのすべての 光電流はフィードバック抵抗器 RF を通して本質的に流れます。フィードバック静電容量 CF は、ゲインのピークを制御するために加えられます。CF の値は検出素子の静電容量に依存します。特定の検出素子モデルに安定したプリアンプ性能を供給するために、それは、工場で取り付けられます。RFと CFの値は、検出素子の特性 RDとCDと伴に、システムの全体的な周波数応答を決定します。(図3,4,7,8) |
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図1 |
図2 |
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PA-9 プリアンプ |
PA-9プリアンプは低温で冷やされたInSbとGeのような高いインピーダンスの光起電力素子における高周波の動作に理想的です。PA-9 は低い電流雑音と極端に低い電圧雑音を提供します。しかしながら、その比較的高いDCオフセット電圧のため、PA-9はジャドソン社の他のプリアンプに比べて、DCアプリケーションにそれほど適していません。PA-9は、固定ゲインです。PA-9を検出素子といっしょに御注文頂いたときは、プリアンプは、最大のゲインと感度のために、検出素子に合わせられます。もうひとつの方法として、御客様は、ゲインと最小必要帯域幅を指定することも可能です。帯域幅は、プリアンプのゲインと同様に、検出素子の抵抗値と静電容量の関数です。(図 3と4) |
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図3 |
図4 |
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Model |
1st
Stage
Gain
(V/A) |
1st
Stage Bandwidth
(Maximum)
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PA-9-70 |
107 |
DC to
100KHz |
PA-9-60 |
106 |
DC to
300KHz |
PA-9-50 |
105 |
DC to
750KHz |
PA-9-44 |
2.5x104 |
DC to
1MHz |
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Typical Specifications Model PA-9 Preamplifiers |
2nd
Stage Gain |
20 |
dB |
電圧雑音密度 @1KHz |
6.5 |
nV
Hz-1/2 |
電圧雑音 0.1〜 10 Hz |
1.0 |
μVpp |
電流雑音密度 @ 1KHz, 1E7 Gain |
0.04 |
pA
Hz-1/2 |
入力オフセット電圧 |
±
10 |
mV |
入力バイアス電流 |
± 1 |
pA |
最大出力 |
1st
stage = 6
2nd stage = 10 |
Vpp |
出力インピーダンス |
<
50 |
W |
電源条件 |
±12
or ±15
20 |
VDC
mA |
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PA-9の情報(英文)はこちらから |
PA-5, PA-6, PA-7 プリアンプ |
電流モードプリアンプは、光起電力素子Ge、InAs、またはInSbの電流出力を電圧出力に変換します。それらは、後段のオシロスコープ、ロックインアンプ、または、A/Dコンバータのために、信号を増幅します。3つの異なるプリアンプのモデルがそれぞれ、検出素子のタイプと帯域幅などの要求項目に依存して、特定の利点を提供します。検出素子のリアクタンスの関数としてのプリアンプの騒音指数の比較が図6でグラフ化されます。すべてのユニット(マルチチャネルのモデル以外)はスイッチ - 選択可能なゲインを持っています。 |
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PA-7は、小さい受光面積の J16 シリーズ Geと、全てのJ16TE2 シリーズ電子冷却 Geを含むほとんどの高シャント抵抗(RD>25KΩ)検出素子にとって、素晴らしい汎用のプリアンプです。それは極めて低い電流雑音と電流オフセットを持っています。ほとんどのアプリケーションに対して、107V/Aの高いゲインのPA-7-70は、最も良い性能と万能性を提供します。しかしながら、帯域幅やDC飽和のために、107V/Aゲインが使用できないアプリケーションのために、PA-760または、PA-7-50は、適切な選択肢です。 |
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PA-6は、大きな受光面積のJ16シリーズ常温型Geを含む中間のシャント抵抗(400Ω<RD<50KΩ)の検出素子のために推薦される汎用のプリアンプです。PA-6は、低周波の雑音とDCドリフトを減らす非常に低い電圧雑音とオフセット電圧を持ちます。標準的なゲイン設定が以下の仕様テーブルに記載されています。ゲイン設定の特別注文は御利用可能です。 |
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PA-5は、12シリーズ常温型 InAs、およびJ12TE2シリーズ InAsを含む低インピーダンス検出素子(RD<400Ω)に対して推薦されます。それは極めて低い電圧雑音と低い電圧オフセットを持っています。しかしながら、その高い電流雑音と電流オフセットにより、高インピーダンスで検出素子には、不適当です。標準のゲインは、 105, 104,
及び 103 V/Aです。ゲイン設定の特別注文は御利用可能です。 |
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図5 |
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Model |
PA-7 Series |
PA-6 Series |
PA-5 |
Units |
PA-7-70 |
PA-7-60 |
PA-7-50 |
PA-6-60 |
PA-6-50 |
PA-5-50 |
トランスインピーダンス
ゲイン:
(Switch Selected) |
High
Med
Low |
1E7
1E6
1E5 |
1E6
1E5
2.5E4 |
1E5
2.5E4
1E4 |
1E6
1E5
2.5E4 |
1E5
2.5E4
1E4 |
1E5
1E4
1E3 |
V/A |
帯域幅
RD>10KW,CD<0.2nF
|
@ High
Gain
@ Med Gain
@ Low Gain |
8
60
150 |
60
150
200 |
150
200
200 |
60
150
200 |
150
200
200 |
200
200
200 |
KHz |
入力オフセット電圧
(Vos)
入力バイアス電流 (ib)
電圧雑音密度 (en) @1KHz
電圧雑音 0.1 〜 10Hz
電流雑音密度
(in)@1KHz |
±250
±0.001
12
1.5
.04 |
±250
±0.001
12
1.5
.13 |
±250
±0.001
12
1.5
.04 |
±100
±12
4.5
.080
.5 |
±100
±12
4.5
.080
.64 |
±80
±30
1.1
.035
1 |
μV
nA
nV Hz-1/2
μVpp
pA Hz-1/2 |
出力インピーダンス
最大出力電圧
電源条件 |
< 100
± 10
+12V and -12VDC @ 10mA |
W
Vpp |
推奨検出器 |
J16, J16TE1, J16TE2, J16D, J10D |
J16, J12TE2, J12TE3 |
J12, J12TE2 |
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図6 |
図7 |
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図8 |
図9 |
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PA-5、PA-6、PA-7の情報(英文)はこちらから |
PA-7:4C, PA-7:16C 及び PA-7:32C マルチチャンネルプリアンプ |
PA-7:4C、PA-7:16C、PA-7:32Cシリーズ マルチチャンネルプリアンプは、主に、ジャドソン社の近赤外アレイシリーズ及びX−Y位置検出素子に使用する目的で設計されました。プリアンプのゲインは、購入の時点で指定された値に個性されます。標準のゲイン設定は、107 または、 106 V/Aです。他の値も、特別注文において利用可能です。0VバイアスがほとんどのアプリケーションでJ16Pシリーズアレイに推薦されているのに対して、オプションにて、検出素子バイアスが調整できるプリアンプも利用可能です。フォトダイオードにバイアスを加えることは、応答速度及び直線性を向上しますが、暗電流も増加させます。 |
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図10 |
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Model |
チャンネル数 |
ゲイン
(V/A) |
帯域幅
(Max) |
PA-7:4C-70 |
4 |
1E7 |
DC to 10KHz |
PA-7:16C-70 |
16 |
PA-7:32C-70 |
32 |
PA-7:4C-60 |
4 |
1E7 |
DC to 60KHz |
PA-7:16C-60 |
16 |
PA-7:32C-60 |
32 |
PA-5:4C-1E3 |
4 |
1E3 |
DC to
200KHz |
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入力オフセット電圧 (Vos) |
±200 |
μV |
入力バイアス電流 (ib) |
±40 |
pA |
電圧雑音密度 (en) @1KHz |
18nVHz-1/2 |
電圧雑音 0.1 〜 10 Hz |
2 |
μVpp |
電流雑音密度† @ 1KHz |
.01pAHz-1/2 |
出力インピーダンス |
<
100 |
W |
最大出力電圧 |
±10 |
Vpp |
電源条件
PA-7:4C (4 channel)
PA-7:16C (16 channel)
PA-7:32C (32 channel) |
±15
@ 40
@ 40
@ 80 |
VDC
ma
ma
ma |
Use with
Detector Series: |
NIR Arrays |
† At Gain = 1E7 V/A. Lower gains increase Current Noise Density. |
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電圧モードプリアンプ |
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電圧モードプリアンプは、光導電素子HgCdTeまたは、InAsなどの低インピーダンス光起電力素子と共に使われるかもしれません。光導電素子に使用する場合は、検出素子に一定のバイアス電流、または、一定のバイアス電圧が検出素子の素子の両端に印加されます。検出素子は、入射光量に応じて、その抵抗を変化させます。そして、その結果として生じた電圧変化はプリアンプにより増幅されます。阻止コンデンサ、または、DCオフセット電流が一定のDCバイアスをブロックするために必要とされます。光起電力素子に使用する場合は、検出素子で生成された光電流は、プリアンプの入力インピーダンスの両端に電圧を引き起こします。この電圧は、増幅されます。より低いインプットインピーダンスが一般により速い周波数特性をもたらしますが、同じくシステムにもっと多くの雑音を加えます。 |
PA-101 HgCdTe プリアンプ (5 Hz - 1 MHz): |
モデル PA-101低雑音電圧プリアンプは、全てのJ15シリーズ HgCdTe検出素子に推薦されます。光導電素子の動作に必要な一定のバイアス電流を流すために、外部バイアス抵抗が使われます。プリアンプを検出素子といっしょに注文した場合は、プリアンプに、最適な検出素子動作のために、工場にて選択されたバイアス抵抗が付属します。検出素子とは別にプリアンプのみ購入する場合は、検出素子の抵抗と必要なバイアス電流を指定してください。モデル PA-101は バイアスなしで J12 シリーズ InAs のために使われるかもしれません。 |
PA-101の情報(英文)はこちらから |
PA-8200 PbS and PbSe プリアンプ: |
モデル PA-8200低雑音電圧プリアンプは、全てのJ13とJ14 シリーズ検出素子に推薦されます。負荷抵抗は、検出素子の抵抗値に合うよう選ばれます。プリアンプのゲインと典型的な帯域幅仕様は、表に記載されています。最も良い結果のために、最も狭い適切な帯域幅のプリアンプのモデルをプリアンプの雑音を最小に保持するように選択してください。 |
PA-8200の情報(英文)はこちらから |
PA-300 HgCdTe プリアンプ (DC - 1.0 MHz): |
モデル PA-300電流プリアンプは、J15Dシリーズ HgCdTe検出素子用に設計されています。PA-300は、オペアンプの前段にブリッジ回路を使用して、検出素子に一定のバイアス電圧を加えるように設計されています。PA-300は、FTIR、及び レーザモニターを含むアプリケーションで、広いダイナミックレンジをカバーして使用される検出素子として推薦されます。PA-300は、また、正帰還低抗のフォームにおいて、一次の直線性補正を持ちます。 |
PA-300の情報(英文)はこちらから |
モデル番号 |
品番 |
ゲイン |
帯域幅
(Hz) |
入力雑音電圧 (nV Hz-1/2) |
入力インピーダンス (ohms) |
最大出力 (Load
> 1Kohm) (Vpp) |
検出器バイアス |
電源条件 |
外形寸法 (Excluding Connectors) |
(VDC) |
(mA) |
PA-101 |
490113 |
1st
x100 2nd x10 |
10Hz
to 1MHz |
1.5 |
10K |
10 |
Built-in |
±15 |
200 |
4.125"
x 2.5" x 1.75" |
PA-300 |
490095 |
100,
300, 1000 |
DC to
1.0MHz |
1.5 |
100K |
10 |
Built-in |
±15 |
200 |
4.125"
x 2.5" x 1.75" |
PA-8200 |
6840253 |
12 to
300 |
10KHz |
1.5 |
50K |
10 |
External |
±15 |
200 |
2"
x 3" x 1" |
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プリアンプの等価回路を以下に記します。 |
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