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Teledyne Judson Technologies社
Ge検出素子

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Germanium Detectors

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J16 シリーズ検出素子は、800nm〜1800nmの波長に対して設計された高品質のGeフォトダイオードです。 カットオフ波長の近くで、感度の温度安定性が重要であるアプリケーションのために、電子冷却型の検出素子があります。

図 1 図 2
図1 図2

■光学的特性

十分なエネルギーのフォトン(光)が受光面に吸収されると、Geフォトダイオードは、PN接合または、PIN接合に電流を発生します。感度の温度特性(A/W)は、図3の通りです。温度の変化は、最大感度波長より短い波長では、検出素子の感度にほとんど影響を与えませんが、長い波長においては、影響が大きい場合があります。(図3と4)

図 3 図 4
図3 図4
例えば、室温における波長1.2μmの感度の温度特性は、1度あたり0.1%以下ですが、波長1.7μmにおいては、1度あたりおよそ1.5%です。(図4)常温型Ge検出素子の受光面における感度の均一性は、1300nmにおいて、典型的に1%±より良いです。
図 5 図 4
図5 図6

■動作回路

ほとんどのアプリケーションにお薦めする動作回路は、負帰還トランスインピーダンス方式のオペアンプ(増幅器)です。(図. 5). オペアンプは最も低い騒音のためにゼロ電圧バイアスの近くで検出素子を維持しながら、フィードバック回路は検出素子の出力電流を電圧に変換します。(「シャント抵抗と暗電流」を参照してください。).
間違った選択は、余分なプリアンプ雑音の発生、または、システムの帯域幅を制限することとなる可能性があるため、適切なプリアンプの選択は重要です。ジャドソン社は、各検出素子とアプリケーションに合ったプリアンプの製品群を取り揃えています。検出素子の仕様には、推奨プリアンプが記載されています。高周波アプリケーションでは、検出素子を逆バイアスで使用し、また、低インピーダンス負荷で終端した方がよいかもしれません。(図6)速いパルス応答のために、検出素子の接合部の静電容量を際立って小さくする逆バイアスは、暗電流や低周波ノイズを増やします。

図 7
図7

■アプリケーション

  • 光パワーメーター
  • 光ファイバ検査
  • 半導体レーザの制御
  • 光通信
  • 温度センサ

シャント抵抗と暗電流

検出素子を図5の基本回路で使用する場合は、意図しないDCオフセット電流、または、暗電流が発生します。それは、プリアンプ入力バイアス電流Ib、プリアンプ入力オフセット電圧Vos、及び検出素子のシャント抵抗RDに関係します。この暗電流の合計は、以下の式の通りです。
Total ID = Ib + (Vos / RD)
高いシャント抵抗の検出素子は、もっとも低い全体的なDC暗電流をもたらします。プリアンプの選択も重要です。高いシャント抵抗の検出素子には、低バイアス電流のプリアンプを、低いシャント抵抗の検出素子には、低いオフセット電圧のプリアンプを選んでください。(図7)検出素子を逆バイアスで、また、図6の高速応答用回路で使用する場合は、主な暗電流は、印加されたバイアス電圧と関係する。(図8)
図 8 図 9
図 8 図 9

■素子の選択

ジャドソン社のGe検出素子を選択するときに、考慮する2つの主要素は、動作温度と受光面サイズです。
  1. 動作温度:素子を冷却すると暗電流は減りますが、シャント抵抗RDは増えます。(図9)25℃におけるシャント抵抗値は、仕様に記載されています。−40℃から+60℃の温度における素子のシャント抵抗は、図9から推測できます。
  2. 受光面積:大きな受光面積は、より低いシャント抵抗を有し(図10)、また、それゆえに、より高い暗電流を有します。低周波ノイズが重要な問題になる場合は、アプリケーションにおいて許容できる最小の受光面積の検出素子を選択することを薦めます。入射する光量を多くするための集光光学系の使用は、受光面が小さくなることに対して、有効です。
 
図 10 図 11 図 12
図 10 図 11 図 12
注:100mWまでの直線性の測定は、8ND型のパッケージとキャップの中の20x NDフィルターによります。
 

■直線性

Geフォトダイオードの受光感度(A/W:入射光量1W時の光電変換(電流または、電圧)の大きさ)は、低入射光量レベルにおいて非常に直線性が高い。高い入射光量レベルにおいて、直線性は、図1に示されたフォトダイオードに直列接続された抵抗とシャント抵抗により、制限されます。大出力電流ISは、順方向に、接合部をバイアスして、その結果、直線性を損ないます。高い入射光量レベルにおいて、直線性は、図1に示されたフォトダイオードに直列接続された抵抗とシャント抵抗により、制限されます。大出力電流ISは、順方向に、接合部をバイアスして、その結果、直線性を損ないます。
±0.04dB(±1%)以内の直線性は、1550nmの波長において、15dBmまでの入射パワーレベルまで維持されます。図11に記されている通り、15dBmを超えた入射パワーレベルは非直線性をもたらします。吸収型及び反射型の減光ファルタは、高い入射パワーレベルの測定において、直線性を得るために有効です。異なったレベルの減衰は、いかなる高いパワーレベルのアプリケーションにも対応可能です。
例外的な応答の一様性は、J16シリーズのGe検出素子の全受光エリアに実現されます。主なスポット走査データは、全受光エリアにおける1300nmの応答の一様性が1%以内であることを示します。

常温型Ge検出素子

J16シリーズ 常温型Ge検出素子は、+60℃までの周囲環境温度下での動作のために設計されています。ジャドソン社のGeフォトダイオードは、高感度、良い直線性、速い応答時間、均一性、素晴らしい長期安定性を有しています。どうか、あなたのアプリケーションに適した検出素子を選択するために、本インフォーメーションをご活用ください。
 
Parameter Min Typ Max Units
Responsivity at 25°C        
        (@ 1550nm) .80 .90   A/W
        (@ 1300nm) .60 .65   A/W
        (@ 850nm) .20 .30   A/W
Uniformity of Response        
           over Area (25°C)   ±1   %
Storage Temperature -55   +80 °C
Operating Temperature -55   +80 °C
 
図 13 図 14
図 13 図 14

■感度校正

J16シリーズ Ge検出素子は、1300nmの波長において、最小感度のテストをしています。追加料金にて、分光感度特性のデータを測定します。(受光面サイズが2mm以上の検出素子に限ります。)

■デバイスオプション

ジャドソン社は、異なったアプリケーションで最適な性能を発揮するために、3つのユニークなGeデバイスオプションを提供しています。(図14)「-SC」デバイスはp-nダイオードで、低周波数アプリケーション、及び、DC平均パワーメーターに対して理想的ですそれは、Geフォトダイオードの中で最も高いシャント抵抗を提供して、最も低いDCドリフトをもたらします。しかしながら、その大きな静電容量と低逆バイアス制限は、1KHz以上の動作には向いていません。(受光面積サイズに依存します。)「-HS」オプションは、標準の素子と同様なシャント抵抗値とノイズを持ち、極めて小さい静電容量と優れた応答速度のためのp-i-n構造を持っています。このオプションは、1OKHz以上の一般的な用途とパルスレーザーのモニタリングの用途に理想的です。標準素子(オプションが無い)は、100Hzから100KHzのアプリケーションにおける一般的な用途において、優れた性能を提供します。

■プリアンプ

推奨プリアンプは、シャント抵抗が50KΩ以下の検出素子に対して、モデルPA-6であり、シャント抵抗が50KΩ以上の検出素子に対して、モデルPA-7です。(図7)プリアンプは、別売です。

■仕様

検出器型式 品番 受光面サイズ 直径 (mm) シャント抵抗
RD
@ VR = 10mV
(k.Ω)
暗電流
ID
@ Maximum
VR (μA)
最大逆電圧
VR (V)

標準雑音等価電力
@λ peak
and 300Hz
(pW/Hz1/2)

静電容量
@ VR = 0V
(nF)
遮断周波数
@ Max. VR
and RL = 50.
(MHz)
オプション
Min.  Typ.  Typ.  Max. 
LOW CAPACITANCE OPTION ("HS")
J16-18A-R250U-HS  460004-1  0.25 400 600 0.1 3 10 0.15 0.02 400 LD, CO2, C11, 18D 
J16-18A-R500U-HS  460003-3  0.5 200 300 0.3 5 10 0.2 0.03 250
J16-18A-R01M-HS  460011-4  1 100 200 1 5 10 0.3 0.15 50
J16-5SP-R02M-HS  460006-4  2 25 50 4 10 5 0.6 0.6 12 5NF, LD, 
J16-5SP-R03M-HS  460019-3  3 15 30 7 20 5 0.8 1 8 8SP, 8NF, C11 8NF, P2, C12 
J16-8SP-R05M-HS  460008-5  5 10 15 10 40 5 1 3 2.5
J16-P1-R10M-HS  460062-3  10 1 2 100 400 2 4 12 0.6 P2 
HIGH SHUNT RESISTANCE OPTION ("SC")
J16-18A-R250U-SC  460004-2  0.25 1400 2400 0.025 0.05 0.25 0.1 0.14 40 LD, CO2, C11, 18D 
J16-18A-R500U-SC  460003-2  0.5 700 1200 0.05 0.1 0.25 0.1 0.5 10
J16-18A-R01M-SC  460011-1  1 250 350 0.1 0.2 0.25 0.2 2 2
J16-5SP-R02M-SC  460006-3  2 80 120 0.2 1 0.25 0.4 8 0.5 5NF, LD, 
J16-5SP-R03M-SC  460019-1  3 35 60 0.5 5 0.25 0.6 14 0.2 8SP, 8NF, C11 8NF, P2, C12 
J16-8SP-R05M-SC  460008-1  5 14 20 1.5 10 0.25 1 36 0.1
J16-P1-R10M-SC  460062-2  10 3 5 25 50 0.25 2 120 0.03 P2 
J16-P1-R13M-SC  460023-1  13 1.5 2.5 50 100 0.25 3 200 0.02
STANDARD 
J16-18A-R01M  460011 1 100 200 1 5 5 0.3 1 15 LD, CO2, C11, 18D 
J16-5SP-R02M  460006 2 25 50 4 10 5 0.6 4 4 5NF, LD, 8SP, 8NF, C11 
J16-5SP-R03M  460019 3 15 30 7 30 5 0.8 7 2
J16-8SP-R05M  460008 5 10 15 15 50 5 1.4 18 0.8 8NF, P2, C12 
J16-P1-R10M  460052 10 1 2 100 400 2 3 60 0.1 P2 
J16-P1-R13M  460023 13 0.5 1 250 800 2 4.5 100 0.07
Detector (+): Anode Detector (-): Cathode Note: Standard packages have clear glass windows. AR-coated glass windows are available upon request.
 

■Ge検出素子のパッケージ(単位:インチ)

ゲルマニウム(Ge)の情報(英文)はこちらから
ゲルマニウム(Ge)の信頼性の情報(英文)はこちらから
 

Geアレイ検出素子

標準のパッケージとエレメント構成は、ジャドソン社の高品質なフォトダイオードアレイを低価格・短納期にて提供いたします。4、16および32素子アレイが、材料によりますが500nmから5.0μmまでの赤外線に応答します。フォトダイオードアレイは、サーモクーラーのあるなしにかかわらず、デユアルインラインパッケージで、または、サーマルイメージアプリケーションで必要とされている、さらに低い動作温度の 3段ペルチェ冷却素子を組み込んだTO-66パッケージで提供しています。ジャドソン社のNIRアレイは、各要素の出力とサブストレイト共通出力がある、平行出力形式です。この形式は、各チャンネルから独立読み取りを可能にしています。各チャンネルに独立したインピーダンス変換演算増幅器をお奨めします。ジャドソン社モデルPA-7:4C、PA-7:16CとPA-7:32Cプリアンプには、4、16、32チャンネルモジュールアレイパッケージのための収納パケージが便利です。インピーダンス変換利得はユーザによって指定して下さい。ヒートシンクモジュールは、サーモクーラーがあるディテクターアレイで利用可能です。

■アプリケーション

  • 臨床分析
  • タンパク質、血液サンプル、農業製品の近赤外分光分析
  • ファイバ光学(半導体レーザーのファーフィールドパターン解析、赤外ファイバの検査)

■パケージ

J16Pシリーズアレイは、ジャドソン社"40P"パッケージ、ガラス窓付き40ピンデュアルインラインパケージにマウントされます。(図15) ピン1と21はコモンである基板に接続されます。16素子アレイは、ピン23-38に接続されます。32素子アレーの偶数番の素子はピン番号3-18に、奇数番号の素子はピン番号 23-38に接続されます。素子間のギャップは0.01mmです。
 
図15

■仕様

検出器型式

品番 波長範囲
(μm)
動作温度
素子数 素子
サイズ
w x h
(mm)
素子
中心間
距離
感度
@ Peak
(A/W)
雑音等価電力
@ Peak
(W/Hz1/2)
最小
シャント
インピーダンス
最大
逆バイアス
(V)
静電容量
@ 0V Bias
(nF)
J16P-40P-S01M:16E-SC 460061 0.6-1.8 295 16 1x1 1 0.8 6.1261E-12 2.00E+05 0.25 2
J16P-40P-500UX1M:32E-SC 460143 0.6-1.8 295 32 0.5x1.0 0.5 0.9 3.8505E-12 4.00E+05 0.25 1.3
 

J16Si Ge複合検出素子

複合検出素子は、高性能のシリコン検出素子を他の検出素子の上にサンドイッチ構造に配置した構造をしています。シリコンフォトダイオードは、400nmから1000nmの波長に感度を有します。その波長より長波長は、シリコンを透過して、その下の検出器により検出されます。J16Siシリーズ検出素子は、800nmと1300nm、または、800nmと1500nmの波長における差を測定するための光パワー測定に対して理想的な検出素子です。更に、二波長方式の温度計測にも有効です。広い温度測定範囲が必要な場合は、J14Siシリーズが使われます。

■アプリケーション

  • 二波長光パワーメーター
  • 波長分波器
  • パイロメーター(高温計、高温測定計、光高温度計)
温度測定範囲:
J16Si: 500C 〜 2000C
J14Si: 22C 〜 2000C
図 16
図 17
図17
二波長光パワーメーターアプリケーション
図 18 図 19
図 18 図 19
二波長方式の温度計測アプリケーション
 
Typical Specifications J16Si Series Ge @ 22℃
検出器型式 品番 動作温度 受光面サイズ(mm) 素子 波長範囲(μm) 感度 標準シャント抵抗@VR=10mV
(ohms)
標準雑音等価電力
@λ peak
and 300Hz
(W/Hz1/2)
パッケージ
J16Si-5A4-R02M-SC 460066-1 22℃ 3.5 Si 400-1000 0.45 A/W@800nm 50M 4.0E-14 5A4
2.0 Ge 1100-1800 0.65 A/W@1300nm 120K 6.0E-13
J16Si-8A4-R03M-SC 460063-1 22℃ 5.0 Si 400-1000 0.45 A/W@800nm 50M 4.0E-14 8A4
3.0 Ge 1100-1800 0.65 A/W@1300nm 60K 8.0E-13
J16Si-8A4-R05M-SC 460129 22℃ 5.0 Si 400-1000 0.45 A/W@800nm 50M 4.0E-14 8A4
5.0 Ge 1100-1800 0.65 A/W@1300nm 20K 1.4E-12
 
Si/Ge複合素子の情報(英文)はこちらから

J16TE 電子冷却型Ge検出素子

J16TEシリーズ検出素子は、優れた安定性と感度を実現するため、及び、暗電流を減らすための電子冷却に取り付けられたジャドソン社の高品質なGeフォトダイオードです。電子冷却には、最大3Wの電力(直流)を必要とります。検出素子の制御、または、モニターするために、内蔵のサーミスターを使用することができます。J16TEシリーズ検出素子は、乾燥窒素で満たされて、密封されたTOスタイルパッケージに取り付けられています。

J16TE1シリーズ 1段電子冷却型Ge検出素子

J16TE1シリーズ検出素子は、ジャドソン社の1段電子冷却型で広い受光面積のGe検出素子です。10mmと13mmの受光径は、より多くの光を受光面に集光させるために有効です。低コストの電子冷却は、−10℃においては、暗電流を減らすために、または、より高い温度においては、変わりやすい周囲温度環境下で応答の安定性を向上させるために使うことができます。

J16TE2シリーズ 2段電子冷却型Ge検出素子

J16TE2シリーズ検出素子は、高性能2段電子冷却型Geフォトダイオードです。DCオフセット電流と暗電流は、動作温度-30℃において、大きく減少します。低オフセット電流と低暗電流のJ16TE2シリーズ検出素子は、高感度光ファイバパワーメーターに対して、理想的な検出器です。本検出素子は、DCモードにおいて、 -80dBm (10pW)まで、オプティカルチョッパーとロックインアンプを使用した測定系では、-90dBm (1pW) までの高感度の光パワー測定を提供します。
図 20 図 21
図 20 図 21
DCオフセット―温度特性 (0Vバイアス近傍) 暗電流―温度特性

■電子冷却特性

図22と図23は、1段電子冷却と2段電子冷却の必要とされる電力を示します。最大冷却に対してはシンプルな対流ヒートシンクが必要です。、
図 22 図 23
図 22 図 23
検出素子温度―1段電子冷却電流特性 検出素子温度―2段電子冷却電流特性
図24は、J16TE2検出素子の温度へのヒートシンクの温度効果を示します。
図 24
図 24

■プリアンプ

PA-7プリアンプは、直流安定性、低雑音、調整可能な利得(ゲイン)、及び、広帯域(DCから50kHz)を提供します。PA-9固定ゲインプリアンプは、高周波帯域(1KHz to 100KHz)において、優れた低雑音特性を提供します。高周波帯域において、検出素子の静電容量とプリアンプの電圧は、システム全体の雑音の大きな要因となります。(図25参照)
図 25
図 25

J16A Ge APD (アバランシェ・フォトダイオード)

J16AシリーズGe APDは、800nm〜1300nmの波長範囲における高速アプリケーションのために設計されています。 ジャドソン社APDは、直径100μmと300μmの受光面サイズにおいて、低暗電流と1.5GHzまでの帯域を提供します。J16AシリーズAPDは、信頼性テストを受けています。信頼性は、20年以上の期間において、1%未満の故障に対応する10FITs (Failures in Time)より良いことが示されました。信頼性データは、ご要望により提供可能です。

■増倍特性

内部利得のメカニズムからJ16Aは、光半導体版光電子増倍管と言われています。この内部利得は、増倍率(M)として知られています。そして、それは、ダイオードに印加された逆バイアス電圧VRの関数です。(図26参照)

■降伏電圧と暗電流

アバランシェ降伏電圧VBとは、ダイオードの暗電流が急激に流れるようになる逆バイアス電圧のことを言います。実際のところは、降伏電圧を定義するために使用されている暗電流の値は、100μAです。(図27参照)

■カットオフ周波数

カットオフ周波数fcとは、信号の周波数を変化させたとき、入力と出力の比である利得(ゲイン)が低くなり、出力が通常値よりも3dB低下した周波数のことを言います。高い増倍率の領域では、増倍率(M)と周波数の積は、一定となります。それは、利得帯域幅積と呼ばれます。増倍率(M)の増加により、カットオフ周波数は、低くなります。(図28参照)

図 26 図 27
図 26 図 27
図 25
図 28
Ge APDの情報(英文)はこちらから
更なるGe APDの情報(英文)はこちらから
 
Typical Specifications J16A Series Ge APD @ 25°C

パラメータ

検査条件

J16A-18A-R100U
受光面サイズ 100μm dia.

J16A-18A-R300U
受光面サイズ 300μm dia.

単位

Min. Typ. Max. Min. Typ. Max.

量子効率

感度

lambda = 1300nm

M = 1

60

0.63

70

0.73

 -- 

60

0.63

70

0.73

 -- 

 -- 

%

A/W

ブレークダウン電圧

ID = 100μA

20

25 40 20 25 40 V

温度係数 of VB

 

0.1

 --   --  0.1  --    %/°C

暗電流

VR = 0.9VB

 --  0.3 0.5  --  1.4 3 μA

Multiplied 暗電流

M = 1

 --  100 150  --  300 400 nA

遮断周波数 (-3dB)

lambda=1300nm, M=10, RL=50ohms

1000 1500  --  300 500  --  MHz

Excess Noise Factor

Excess Noise Figure

lambda = 300nm, f = 30MHz

BW = 1MHz, M = 10, Iph = 2μA

 -- 

 -- 

9

0.95

 -- 

 -- 

 -- 

 -- 

9

0.95

 -- 

 -- 

 -- 

 -- 

静電容量

f = 1MHz, M = 10

 --  1.5 2.0

 -- 

8 10 pF

順電流

逆電流

Maximum Rating

  100

1

 

  100

3

mA

mA

 

J16D 液体窒素冷却Ge検出素子

J16DシリーズGe検出素子は、800nmから1400nmの波長の光検出において、究極の感度を提供します。Geフォトダイオードを液体窒素温度77°Kに冷却することは、等価雑音電力(NEP)を0.01 pW/Hz1/2以下にするために極めて高いシャントインピーダンスをもたらします。

■デュワーパッケージ

J16D検出素子は、サファイア窓付ガラスまたは、金属デュワーにパッケージされます。 J16D検出素子は、非常に高いシャントインピーダンスRDを有します。そのため、とても低い固有雑音を有します。振動が存在している環境で使用されるとき、デュワーの導線からのマイクロホニック雑音は、検出素子の雑音の中で優位をしめるかもしれません。これらの条件下では、ガラスデュワーを薦めます。その理由は、導線はガラスの中に埋め込まれていて、振動から守られるからです。デュワーの外の信号からのノイズを避けるために、外部接続には注意しなければなりません。金属デュワーは、他のアプリケーションに適していて、定期的に、真空引をすることができます。
図 29 図 30
図 29 図 30
J16 検出能−波長特性 J16D 雑音等価電力(NEP)−周波数特性