マイクロ波テストフィクスチャ |
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本装置は、DUT(Device Under Test:被測定デバイス)に対して、高周波測定を行うためのマイクロ波テストフィクスチャです。DUTは、小型の回路基板やマイクロ波部品、またはウェーハ上のミリ波デバイスなどを想定しており、真空吸着式のチャックテーブルにより、安定かつ確実に測定位置に固定されます。 測定の際には、DUT上の電極パッドに対して、高周波対応のGSGプローブ(Ground-Signal-Ground構造)を接触させることで、Sパラメータなどの周波数特性評価を実施できます。GSGプローブは、信号線(S)を中央に、グランド線(G)をその両側に配した構造を持ち、50Ωの特性インピーダンスを保ちながら、ノイズやクロストークを抑えた測定を可能にします。 プローブには専用のポジショナが用意されており、XYZ軸に加え回転調整機構が備わっています。これは、GSGプローブをDUTの電極に正確にアライメント(位置合わせ)し、先端の各接点が対応するパッド上に最適に接触するようにするためです。特に高周波領域においては、プローブの接触状態が測定結果に直接影響を及ぼすため、回転による微調整が不可欠です。これにより、信号線とグランド線の対称性や整合性が確保され、反射損失や挿入損失などの測定誤差を最小限に抑えることができます。 |
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■仕様 |
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※本仕様および外観は改善のため予告無く変更することがあります。 |
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■GSGプローブ(Ground-Signal-Groundプローブ)とは |
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GSGプローブは、高周波特性評価やオンウェハ計測に用いられる精密なプロービングツールであり、特にRFおよびマイクロ波領域における測定に適した設計がなされています。GSGとは、中央に信号ライン(Signal)を配置し、その両側に接地ライン(Ground)を対称に配置した構造を指します。このような構成により、信号のリターンパスがプローブの両側に確保されるため、優れた高周波伝送特性と安定した測定環境を提供します。 本プローブは、同軸ラインにおける特性インピーダンス50Ωとの整合性を高い精度で保つよう設計されており、数GHzから数十GHzに至るまで、広帯域かつ低反射での信号伝送が可能です。プローブ先端のチップ部分は、ウェハ上の微小な電極パッドに直接接触し、高精度なSパラメータ測定や直流特性評価に対応します。また、プローブの接点間隔(ピッチ)は、一般に100μm、150μm、200μmなどが選択可能であり、各種デバイス構造に柔軟に対応できます。 GSGプローブの最大の特徴は、その構造によって電磁干渉(EMI)を抑制し、リターン電流の経路を安定化させる点にあります。これにより、測定再現性が向上し、高周波回路や半導体素子の特性評価において信頼性の高いデータ取得が可能となります。さらに、専用のキャリブレーション基板(SOLT、TRLなど)と併用することで、ベクトルネットワークアナライザとの高精度なインターフェースを構築することができます。 本プローブは、RFトランジスタ、受動素子、ミリ波チップ、5G・6G関連デバイスなど、先端電子デバイスの開発・評価において不可欠な測定ツールとして広く採用されています。 |