光学特性測定用マニュアルプローバー
MMPS-50-IVLS

マニュアルプローバー MMPS-50-IVLS
 
裏面発光タイプの光半導体デバイスのI-V-L(電流-電圧-光出力)特性及び、発光スペクトルを測定するためのマニュアルプローバーです。プローバーとは、ウェハーレベルで、ウェハ上に製作されたIC、LSI、LED、LD等の素子の電極に、プローブ(針)を当てて、電気的、光学的な検査を行う装置です。弊社のプローバーは、特に光学特性を測定することができることが特徴です。LED、レーザダイオード、VCSEL等の発光素子の光学特性をウェハレベルで測定することが可能です。顕微鏡で観察しながら、ウェハ上の電極に対して、針を当てて、電流を流して、発光素子の光学特性測定(I-V測定 I-L測定 V-L測定 スペクトル測定)を行うために、必要な顕微鏡、プローバー、光検出器、光プローブ等で構成されています。

■仕様

サンプルステージ ウェハサイズ:〜2インチ
XY軸 移動範囲:各±20mm
プラテン 昇降可 移動範囲:4mm
プローブ針(同軸針) 材質:タングステン
先端半径:12.5μm
数量:2本
マニピュレータ XYZ軸移動範囲:各10mm
トラベル量:各250μm回転
数量:2個
実体顕微鏡 倍率:7倍〜45倍
照明:LEDリング照明
光検出部 1 フォトダイオード(感度波長範囲:200nm〜1100nm)
2 光ファイバプローブヘッド
ベースプレート サイズ:300mm×300mm

■LED測定時の写真

LED測定時の写真

※本仕様および外観は改善のため予告無く変更することがあります。

■マニュアルプローバーとは

マニュアルプローバーは、半導体デバイスや電子部品の電気的特性、例えば電流‐電圧(I-V)特性や容量‐電圧(C-V)特性などを評価するための測定装置です。プローブ針を用いて、被測定デバイス上の微細な電極に手動で正確に接触させることで、各種測定機器と接続して信号の印加および応答の取得を行います。
本装置は、主にサンプルステージ、プラテン、ポジショナ、プローブ針、およびベースプレートで構成されています。サンプルステージはウェハやチップなどの試料を固定するためのもので、その下部には手動のXY軸ステージが設けられており、測定対象となる素子の位置を微細に移動させることができます。これにより、ウェハ上の多数の素子に対して連続した測定が可能になります。
プラテンは、プローブ針を保持するポジショナを搭載する昇降可能なステージです。ポジショナは、プローブ針のXYZ軸方向の位置を微調整するための機構であり、実体顕微鏡を併用することで、針先と電極の精密なアライメントが行えます。
測定作業は、まずプラテンをボトムポジション(ホームポジション)に移動させた状態で、ポジショナを操作し、プローブ針を電極上に正確にアライメントします。その後、プローブ針を電極にコンタクトさせて測定を行います。測定終了後は、プラテンを上昇させてプローブ針を電極から離し、XYステージを操作して次の素子の電極位置に試料を移動させます。その後、再びプラテンを下降させて次の測定を実施します。この一連の動作を繰り返すことで、ウェハ上の複数のデバイスを効率よく連続的に測定することができます。
マニュアルプローバーは、構造がシンプルで操作性に優れ、比較的低コストで導入できることから、研究開発、試作評価、工程内検査、不良解析など、さまざまな現場で広く使用されています。また、構成の柔軟性が高く、用途に応じてプローブ数や機器構成を変更できるため、多様な測定ニーズに対応可能な装置です。

■LEDのIVL特性について

LEDのIVL特性とは、LEDデバイスの電気的および光学的性能を総合的に評価するための重要な指標であり、「I-V特性(電流−電圧特性)」、「I-L特性(電流−光出力特性)」、「V-L特性(電圧−光出力特性)」の3つの関係を指します。
I-V特性では、LEDに電圧を印加した際に流れる電流の変化を測定することで、しきい値電圧や内部抵抗など、デバイスの基本的な電気特性を確認することができます。特に、ある電圧以上で急激に電流が流れ始めるダイオード特有の非線形な応答が特徴であり、初期特性や不良判定などに用いられます。
I-L特性は、LEDに流す電流とそれに伴って発生する光出力の関係を示すもので、光出力の立ち上がり傾向やスロープ効率、発光効率を評価する際に使用されます。この特性から、最適な駆動電流の選定や、過電流時の光出力の飽和・劣化挙動を把握することが可能です。
V-L特性は、電圧と光出力の関係を示したものであり、I-VおよびI-Lの測定結果を組み合わせて算出されることが一般的です。実際の駆動環境下での電力効率(例:mW/Wやlm/W)を把握する手がかりとなり、省エネルギー設計や発熱の少ない駆動条件の検討に役立ちます。
これらのIVL特性を高精度に測定・解析することにより、LEDデバイスの性能評価や製品開発の最適化、さらには品質管理や信頼性試験において極めて重要な役割を果たします。