レーザーダイオードテストシステム MLDTS-10N-1A |
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本システムは、ウエハーから個別に切り出されたレーザーダイオードバー、及び、CANパッケージ型レーザーダイオードの性能評価に特化した測定装置です。主に、電流−電圧特性(I-V特性)や光出力特性(I-L特性)、さらには発光スペクトルといった電気的・光学的なパラメータを高精度に測定することができます。本装置は最大1アンペアの大電流を、最小50ナノ秒という極めて短いパルスで印加可能であり、これによりデバイスの発熱を抑制しながらの評価が可能です。熱の影響を最小限に抑えることで、素子本来の特性を正確に測定することができ、開発初期段階やデバイス比較検証などに有効です。
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■測定項目 |
項目 |
内容 |
波形取得 |
駆動電流波形、光出力波形、出力電圧波形(※ナローパルス駆動時のみ) |
グラフ |
駆動電流 - 光出力特性(I-L)グラフ、
駆動電流 - 出力電圧特性(I-V)グラフ、
温度特性グラフ
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データ |
しきい値電流(Ith)、スロープ効率(SE)、
指定光出力(Pop)時の駆動電流値(Iop)、出力電圧値(Vop)、
指定駆動電流(If)時の光出力値(PIf)、出力電圧値(VIf)
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偏光測定 |
偏光プリズムを手動回転して取得 |
発光スペクトル |
分光システムによる測定 |
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■仕様 |
項目 |
ナローパルス |
ワイドパルス |
最大駆動電流 |
1A |
1A |
設定分解能 |
0.1mA |
0.1mA |
最大出力電圧 |
30V |
30V |
駆動モード |
パルス |
CW/パルス |
駆動極性 |
片極性 |
片極性 |
駆動方式 |
定電圧 |
定電流 |
パルス幅 |
50nsec 〜 10μsec |
1μsec 〜 1msec |
パルス発生率 |
1% |
50% |
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※本仕様および外観は改善のため予告無く変更することがあります。 |
■レーザーダイオードバーについて |
レーザーダイオードバー(LDバー)は、レーザーダイオードの製造工程において、ウエハー上に形成された複数の素子列を、直線状のバー形状に切り出した中間段階のデバイス形態です。最終的にはこのバーをチップ単位に分割し、個々の素子をCANパッケージなどに実装して製品化されます。 |
■LDバー測定の目的と重要性 |
レーザーダイオードバーは、パッケージング前の中間プロセスに位置する重要な形態であり、この段階での特性評価は、製品の品質管理および製造効率の観点から非常に重要です。
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バー状の状態で各素子に対して電気的・光学的な特性を測定することで、歩留まりの向上、不良品の早期発見、製造プロセスの安定性向上など、様々なメリットがあります。
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主な測定項目は以下の通りです:
- 電流−電圧特性(I-V)
- 光出力−電流特性(I-L)
- しきい値電流、スロープ効率
- 発光スペクトル(波長、帯域幅)
- チップ間のバラツキ確認
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特に自己発熱の影響を避けるために、測定には50ナノ秒といった極めて短いパルス幅による駆動が用いられ、これにより熱の影響を最小限に抑えつつ、素子本来の特性を高精度に評価することができます。
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本測定を通じて得られた情報は、チップ選別や工程最適化だけでなく、最終製品の信頼性向上にも直結します。
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